radiotsのブログ

どうも、僕です。

怪談。

どうも、僕です。
 

 


怪談話の導入の「日常パート」の部分が好きだ。これから起こる怪異の前フリとなる場面だが、日常の中の「この時間いいよね〜」という要素が濃縮されており、とても味わい深い。アメリカンドッグの根本のカリカリ、蓋の裏のちょっと固まったヨーグルト、怪談の日常パート、である。

 

 

この夏聞いた怪談の導入部分はこうだ。

 

 

昼過ぎに目覚めたひとり暮らしの大学生。午後の講義に行くのがめんどくさくなってしまい、その日は自主休講にすることに決める。そして部屋でのんびりとワイドショーを観ていると……。

 

 

うん、やはりたまらない。講義を休むと決めた瞬間からぽっかりと生じる空き時間。それを若干の罪悪感を感じながらダラダラと過ごす贅沢。学生時代だけに許される自由。最高である。このまま何も起こらなくてもいいくらいだ。夜になってスーパーに買い出しに行って、半額の惣菜とビールを買ってきてお笑い番組を見ながら飲んだりしてほしい。

 

 

 

だがもちろんそんなことはなく、大学生はその後きっちりと怪異に遭遇していた。なぜなら怪談だからだ。こればかりは仕方がない。ウィンナーの入っていないアメリカンドッグはないのだ。

 

 

そして私は高卒なので大学生の一日の流れをよく知らないし、知らないけど30歳の今でも羨ましくてたまらない。